パリ、テキサス Paris, Texas

ヴィム・ヴェンダース監督というと、(僕自身はほとんどピンとこなかったのですけれど)「ベルリン・天使の詩」がわりと有名なのかもしれません。
が、この「パリ、テキサス」も秀作だと思います。

ストーリー自体は種も仕掛けもさほどなく、とてもシンプル。
男と女、そして家族の形態になったときに大きな存在となる子供、それぞれの関係の大切さという点に焦点があてられています。

このようなテーマを扱った作品は希ではないのだけれど…。
でも、その家族の誰が主人公と決めつけていない、決めつけてはいけない視点で描かれているところが、この作品の極めつけなところではないでしょうか。

可愛さも哀しさも孤独も堪え忍ぶことを経ても、THE ENDにならないし完結しないからこそ、観る側それぞれの想像力に働きかけるのでしょうね。
「点と線」という言葉を借りると、人間、それも家族愛の点と線という感じがとてもよく表現されているんじゃないかな。

蛇足ですが、ヴィム・ヴェンダース監督の撮った映画では
「都会のアリス」
「まわり道」
「さすらい」
といった、所謂ロードムービー3部作も、ヴェンダース作品は未だ観たことがないという方にはオススメです。

MEMO
Exposure:0.016s (1/60)、Aperture:f/4.0、ISO:800、±0.0EV